麗しの旦那様、私の愛は重すぎですか?
「随分と楽しそうだね?」
「いいえ、なんでもないわ」
櫻子は慌てて、緩んでいた表情を引き締めた。
(気をつけなきゃ……)
今の櫻子は愛する夫が明日から二泊三日も留守にするとはとても思えない浮かれた態度だった。
楽しげにしていたら不審に思われても無理はない。
「櫻子」
スーツケースの準備にいそしんでいた櫻子は、暁成に抱き寄せられた。
耳に吐息がかかると、ビクンと身体が期待に震えた。
「残りはあとで自分でやるから、今日は一緒に風呂に入らないか?」
「お風呂、ですか?」
「嫌かい?」
「だって……。恥ずかしいわ……」
櫻子はもじもじしながら頬を染めた。
結婚してからというもの、二日と空けずに身体を重ねてきたが、明るい場所でじっくり肌を見られるというのは一際恥ずかしい。
「恥じらう君が見たい」
「そんな……」
暁成は有無を言わさず櫻子のルームウェアを脱がしにかかった。
所詮は無駄な抵抗だった。櫻子が暁成の誘惑に抗えるわけがない。
暁成は希望通り新妻の恥じらう姿をたっぷり堪能し、ご満悦で翌朝を迎えたのだった。