麗しの旦那様、私の愛は重すぎですか?

「ダメよ、暁成さん。こんなところで……」
「ここで君を抱きたい。僕への愛が詰まったこの場所で……」

 ハアハアと暁成の呼吸が荒くなる。
 一秒も待てないと、下半身を押し付けられる。欲望の証が今にも弾けそうなほどに膨らんでいた。
 櫻子は微笑みながら、暁成を制するようにその鼻頭をちょんとつついた。

「ダメよ、暁成さん。お義母さまに私達がいつもどんな風に愛し合っているか、教えて差し上げなくては。ね?」

 暁成は一瞬面食らったが、すぐに櫻子の意図に気がついた。

「君ほど僕を真摯に愛してくれる女性はいないよ」

 櫻子は暁成に抱き上げられ、ひとつ上のフロアにある自分達が暮らす505号室へと戻った。
 ベッドに下ろされると、服が剥ぎ取られ、息つく間もなくひとつになる。
 気が触れそうなほどの快感で頭が痺れていく。

「暁成さん……。もっと……!」

 新妻の可愛いらしいおねだりに応えるように暁成は腰を押しつけ、淡く光る喉笛をきつく吸い上げた。

「ああっ!暁成さんっ!」
「櫻子っ……たまらないよ……!」

 二人とも明らかに普段より興奮していた。

< 34 / 39 >

この作品をシェア

pagetop