麗しの旦那様、私の愛は重すぎですか?
「おはようございます、暁成さん」
「おはよう、櫻子。今日も早いね」
暁成はキッチンに立つ櫻子の頬にキスをした。
ルームパンツに上半身裸の暁成は寝顔以上に櫻子を魅了する。
惜しげもなく晒された薄ら割れた腹筋と胸筋には神々しさすら感じる。
つむじの寝癖もポイントが高い。
寝起きの暁成を見られるのは妻である櫻子だけの特権だ。
「シャワーを浴びてくる」
「はい」
暁成がシャワーを浴びている間に、朝食を用意していく。
朝食はいつも洋食だ。
櫻子は暁成のために、最低でも四種類のメニューをテーブルに並べるようにしている。
夫の健康管理は妻の役目。なにより、暁成が美味しそうに食べる様子は、櫻子にとって至上の喜びだった。
暁成がシャワーを浴びて戻ってくると二人はテーブルにつき、櫻子の用意した朝食を食べ始めた。
この日のメニューはコブサラダ。ボイルしたソーセージ。スクランブルエッグ。
パンは二種類。クロワッサンとデニッシュ。
淹れたてのコーヒー、ヨーグルトにはブルーベリーとイチゴジャムを添える。
「今日のスクランブルエッグは一段と美味しいね。味付け変えた?」
「バターを変えてみたんです」
「さすが、櫻子だね」
暁成は些細な工夫も見抜き、櫻子を褒めてくれる。
褒めて伸ばすタイプなのか頻繁に櫻子を賞賛し、日頃から感謝を惜しまない。
男性としても夫としても満点に近い。