スノードロップ
好意は持てなかったけど、とてもいい人に見える。

「そうですね...。かわいい彼女の頼みだから、急いできたんだけどな。ありがとうございました。さ、乗って。」

「はぁ、これだからこのバカ彼氏は使えないのよ。やっぱり乗り換えようか。」

あー、本音がでてる。

まあ今さらって感じだけど。

「まあまあ、許してあげろって、無能な彼氏さんをよ。」

金髪の男は笑ってどこかに行ってしまった。

夜道を赤い車で走る。彼女は寝ていた。

この車は彼女が選んだ。

かわいい赤色の車でドライブデートしたいね、って。

しなかった。

結局すぐに男ができたから。

相手はすぐに冷めるのに、どうしても冷めないこの想い。


どうするべきなんだろう。

家について、僕は彼女を抱いて外にでた。

静かに寝息をたてて、寝言を漏らした。
< 13 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop