スノードロップ
僕の香水の匂いは、彼女のきつい香水と交じって、微かにスノードロップの匂いを感じさせた。

アイビーが繁殖しすぎた植木鉢が目に止まる。誰かの髪の毛のように生えて、伸びに伸びている。

僕は見ないふりをして、家へ向かう。

クロユリの咲くころ、また彼女に会おう。

それまでに、僕は、変わるからね。

僕は小さく呟き、彼女を固く冷たい床に落とす。彼女は酔っていて、なにもわからない。寝ようとさえしている。

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