スノードロップ
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最近彼女が帰ってこない。

深夜にひっそりドアが開くことがよくある。

僕はベッドの上で知らない振りをした。

初めは己の情けなさに、涙がでることがあった。

枕に顔を押さえつけ、彼女が風呂からでてくるまでに寝た。

今はもう、慣れてしまった。


一緒に住み始めた頃は、昼下がりにタオルケットを足元にかけながら抱き合って寝た。

起きる度にキスを交わす。
歯磨きもしてないのに、今思えば不潔だな。でも、そんな不潔なことも嬉しくてしかたがなかった。

心地の良い日の光が僕と彼女に当たる。

昨日僕が洗ってあげた彼女の艶やかな髪は輝いていた。

僕のこの彼女に誉められた黒い髪もきっと輝いていた。

やることがなくて暇だった。

疲れていたわけでもなにもないのにただ2人でぐっすり寝た。


やるせない日々も2人なら楽しかった。
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