才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ

「午後からも練習するんだってよ」


「いいんじゃない?理由は何であれ一生懸命する人は私は好きよ(笑)」



「そうだけどー、一緒に帰れないもん!」



「まあまあ、ちょっとだけじゃん、私が一緒に帰ろうか?どっかに寄る?」



「今日はダメなの(笑)お兄ちゃんとデート」


「相馬くんに言っちゃおっかなー」



「ダメ(笑)」



自主練を終えた愛菜は門近くに停まっている白い高級車に乗り込んだ。


「お待たせ」


「お疲れ」


「GO」


「全く元気なやつだな」


「私、学校では冷静さを保ってるから(笑)」


「わー、みんな騙されてるなー」


「騙してはいないよ(笑)普通、普通」


「ゴルフしてることは誰かに話してるのか?」


「一人だけね、バレちゃった(笑)」


「SNSしてないのにバレるってどんな状況だよ」



「へへっ」


「何が食べたい?」


「んー、海鮮!お寿司屋さん」



「了解」



「ウニ食べたーい」



「金あるんだから食いに行けよ」



「え~、一人でなんて恥ずかしいよ」



「恥ずかしさだけは一丁前にあるんだな」



「めっちゃある!可愛いっていつも言って……あっ……」


愛菜は口を押さえた。


「誰が可愛いって?おい!」



しまった……



「個室でゆっくり聞かせてもらおうか」



りっくん、ごめん……



「三木様いらっしゃいませ」



「お久しぶりです、奥、空いてますか?」



「もちろんです、ご案内いたします」



三木家御用達のお寿司屋さんだ。




「お嬢様も大人になりましたね」



「まだまだガキです」



「高二です」


「高校はどちら?」



「A学園です」



「頭もいいんですね」


A学園は県内でも有名な進学校だ。


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