才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
「とりあえずおまかせで、あとウニを……」
三と指をだした。
「3貫と、うなぎとヒラメ」
「かしこまりました」
おかみさんは下がっていった。
愛菜は聞かれたことだけ答えようと思っていた。
さっきみたいにうっかり口を滑らせないように……
やっと学校でもオープンになってきていた矢先だったからつい喋ってしまった。
「母さんは……俺じゃなくてまだ高校生の愛菜につくべきだよなぁ」
「そんなことないよ、今のお兄ちゃんを支えてるのはお母さんじゃん」
「それは…何とも言えないけどさ、だいぶ俺も大人になったと思うよ」
「はぁ、一年戦うのって本当に大変だね」
「大変だよ……って何ごまかしてんだよ、愛菜の男のことだろ」
バレちゃった。
「どうせバレるか、クリスマスに会うし」
「約束早いな」
「だってオフシーズンはちゃんと予定いれとかないとお父さん達って急に決めるでしょ?」
「確かに、急にラウンドするぞーだもんな」
お寿司が運ばれた。
「ゴルフの事を知ってる一人っていうのは彼氏か?」
「うん、ちょっと色々あって部活を休んだら心配で家に来てくれて、イライラを静めようと黙々と打ってたらバレちゃった(笑)」
「何か言われたか?」
「カッコいいって(笑)」
「引かなかったんだ」
「うん、親の職業は話してたからね」
「まあ、会えばどんな男かわかるが、愛菜が彼氏を一言で言うと?」
「お兄ちゃん、一言なんかで言えるわけないよ、たくさんあるけど、超優しい(笑)」
「言ったじゃん(笑)」