才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
「ありがとうございました」
「放送は明日の昼なんだけど使っても大丈夫かな?彼女、顔出しは……三木さん」
「え?」
愛菜がひょこっと僕の後ろから顔をだした。
「私ね新人の頃にゴルフ番組のアシスタントをしてて、三木さんと会ってるのよ」
「愛菜、憶えてる?」
「ううん」と首を横にふった。
「小学生だったからね(笑)」
理久斗は愛菜の肩を持って前に出した。
「もうゴルフはやってないの?」
「やってないとは言いきれないですけど勉強とか色々したくて、今は充電期間です」
「そうね、若いときにしか出来ないこともあるからいいと思うわ」
「はい、あ、顔出しはOKです、きっと誰も気づかないので(笑)」
「協力ありがとう、また今度はプロゴルファーの時に取材したいのでその時はご指名よろしく(笑)」
そう言って名刺をくれた。
愛菜の家に向かう最中、愛菜はずっと黙っていた。
多分泣いていたんだと思う。
僕も黙って手を繋いで愛菜の家の近くの公園に入っていく。
ベンチに座った。
「寒くない?」
愛菜に声をかける。
「うん、ありがとうね、ずっと手を繋いでてくれて」
「ううん、愛菜と手を繋ぐのは普通の事だから……どっちの気持ちなんだろうって僕も考えてた」
ハァと鼻をすすり息を吐く。
「ごめんな、僕が気軽にインタビュー受けたから、結果愛菜の心を乱してしまってる、明日大会なのに」