才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ

調子が悪かったのは紗英だった。


顧問の先生にフォームの直しをするようにと指導されていた。


会場で解散となる。


「愛菜」


「ん?」


「親は見にきてくれたのか?」


理久斗が尋ねた。



「ううん、ちょっと県外に行くって、でも朝はここの会場まで送ってくれたよ」



「そっか、じゃあ挨拶は出来ないんだな」


「うん、うちの親はあてにしないで(笑)」


笑ってはいるけど、見てほしかっただろうな。



「りっくんのところは来たの?」


「うちは今は妹についてるから、今日は練習試合に乗せていってる、一緒に帰る?」


「ごめん、凛華が誘ってくれて、乗せて帰ってくれるって……」


「わかった、じゃあ帰ったらLINEする」


「うん、後でね」


理久斗は家に帰ると昼の番組を見た。


ノーカットだ。



五組のカップルがインタビューを受けていた。


クリスマスか……どうするかな……



クシュンとくしゃみをした理久斗はお風呂を沸かして入ることに……



お風呂から出ると鞄のポケットからのど飴を出して舐める。



朝から喉が痛かった。


お弁当を作る気力もなくお昼はコンビニのおにぎりを買い、のど飴も買ったのだ。



昨日寒い中外にいたからかな、でも愛菜も一緒だし、愛菜が風邪をひいてないならいい。



唾を飲み込むと痛くて正直最後に的を外してしまったのは集中力が切れて申し訳なかった。



大会のために愛菜とデートしたのに風邪を引くなんて情けない。


夕食の後に市販の薬を飲んで眠りについた。

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