才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
話してもいいのかな……
「いえ、5ヶ月です」
「一度振ったとか?」
「いえ」
「別の人だったのかなー、私達、理久斗が高一の春に別れてるから」
「…そうなんですね」
しばらく歩くと「ここだよ」愛菜は家を見た。
理久斗の家はあそこのポストが特徴があるから目印にするといいよと教えてくれた。
「ありがとうございました」
「でも……いないかも、理久斗ママの車がないから、普段はあのスクーターで仕事に行くの、だから大体車が停まっている事が多いんだー、理久斗を病院に連れていってるかもね、四時上がりの日があるから」
そこまで詳しいんだ……
「居なかったら置いて帰ります、ありがとうございました」
愛菜は自転車を停めてお礼を行った。
「はーい、バイバイ」と言って街の方へ歩いていった。
インターフォンを押したがやっぱり留守のようで玄関前にコンビニで買ったものを置いて自転車で家に帰った。
りっくんから電話がきたのは7時頃だった。
「病院が混んでて遅くなった」
「凄い声だよ、電話じゃなくてもよかったのに」
「僕が愛菜の声を聞きたかった、熱は下がったよ、インフルエンザでもなかった」
「明日はまだ無理そう?」
「熱がなければ行くよ」
「わかった、無理はしないでね」
「ありがとう」
元カノさんとの事は元気になってからでいいかと話すのをやめた。