才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
「私は誰に教わればいいんですか?相馬先輩じゃ駄目なんですか?相馬先輩がいいんです!」
「先輩だって自分の練習があるんだよ!」
響が美鈴に言い返す。
「美鈴は相馬くんと話したいんでしょ?」
「紗英先輩だってじゃないですかー」
「私は……はっきり先生から名指しされたし、今週は愛菜がいないから相馬くんに時間があるかと思ったのよ……」
「僕はこの前の団体戦を見てて、大前の坂下さんにやっぱり合わせないといけないと思ったよ、この前、一番集中出来てなかったのは愛菜だから……」
「え?でも矢の数はやっぱり私が少なくて……」
「成績だけ言ってしまえばそうだけど、団体戦だからカバーしなくちゃいけないんだよ、一番リズムが悪かったのは確かに愛菜だから、落ちの部長がカバーしてくれたから四位の成績だった」
「理久斗先輩、何で彼女の愛菜先輩の事を悪く言うんすか?」
「彼女だからって関係ないよ、僕がそう思ったんだから……僕は別に弓道をしている愛菜を好きになったわけじゃないからね(笑)そんな出来ない愛菜も可愛いしね、最初から一目惚れなんだからどんな愛菜も好きなんだよ」
「先輩……」
「さあ、もう時間だ、切り上げよう」
理久斗の一言で解散になった。
私が頼んだから道場の鍵は返すよと紗英が言ってくれて、理久斗と響は部室に戻った。
「何か最後の先輩の言葉がすげぇかっこよかったっす」
「本当の事だよ、愛菜が弓道部で一番下手でも好きなんだから」