才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
誰?

日曜日に愛菜がやっと帰ってきた。


夜に電話がかかり久しぶりに長電話をした。


「明日会ってもびっくりしないで欲しいの」


「びっくりってちょっと怖いんだけどな(笑)」



「その……私がいなくて…あの…さ、さ」



「ん?よく聞こえないよ?」



だいぶ恋愛することに慣れてきていたのに、りっくんと久しぶりに話していたらまた恥ずかしさが勝ってしまう。



顔は見えてないのに…


「僕は愛菜がいなくて寂しかったよ」



「ふぁっ、も、もうりっくんたら……」



「愛菜は?」


「りっくんの意地悪ぅ」



「顔、赤いだろ」



「そうだよ、寂しかった……」



遠くで愛菜を呼ぶ声がした。



「あ、呼ばれてる、じゃあ、また明日ね」



「うん、おやすみ」


やっと明日会える。



理久斗は机の上で細かい作業をしていた。



クリスマスまでに間に合うかな、いや、間に合わせなきゃいけない。



朝、教室で愛菜を見た慶ちゃんはびっくりしていた。



「愛菜?だよね、髪と……スカートは?」



きれいな長いさらさらの黒髪がショートカットになっていた。



A学園は最近女子でもスラックスの制服が認められていたが休む前まではスカートだったので、みんな驚いていた。



「慶ちゃん、久しぶり~」



クラスメイトも集まってきた。




休んでる間に何があったの?



相馬くんと別れたから髪切ったの?



「家族にグアムに連れていかれちゃって、へへっ、肌焼けたでしょ」



グアム?とびっくりされたが、まあまあと話しははぐらかす。

< 133 / 274 >

この作品をシェア

pagetop