才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ

理久斗は愛菜に何度も電話をしたが繋がらなかった。


次の日、部活には愛菜の姿はなかった。


「坂下さん」


理久斗は凛華に声をかける。


「今日は愛菜は?」


「ん?相馬くんにも連絡ないの?」


「もって事は坂下さんも知らないって事かな」


「うん、放課後教室に迎えに行ったら休みって言われたの」



「じゃあ学校自体を休んでるんだね」


「そうみたい、どうしたの?目の下の隈」



「寝不足で……でも部長がインフルエンザって連絡あったから部活に出なきゃと思ってさ」



「あぁ、男子は昨日から休みが多いよね」



「そうなんだよ、昨日愛菜に何かあった?」



「ケンカでもした?」



「言い争ってないからケンカではないと思うけどずっと昨日の帰りから様子がおかしくて、電話も出てくれないんだ」



帰り……



「ごめん、家に寄ってみるよ、ありがとう」



本堂くんも今日も来てないけどインフルエンザとかなのかな……



高熱でスマホを触れないとか、でも今日リンパマッサージの日だから行ってみればわかるよね、愛菜の方が心配だな、昨日の秋枝の言い方もちょっと気になるし……



凛華は部活が終わると本堂くんのお母さんのリンパマッサージの予約を入れていたので家に行った。



「こんばんはー」


「いらっしゃい、凛華ちゃん」



「お邪魔します」



施術の部屋に入って横になる。



たっぷりの温かいオイルで背中のマッサージが始まる。



「あの、本堂くんは風邪で休んでるんですか?」


さりげなく聞いてみた。

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