才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
「二人とも……私があと1本決めてればよかったのよ、先生に言われたとおり私の調子が悪かったんだから」
「紗英……」
「えー、でも相馬先輩も愛菜先輩が一番集中してなかったって言ってたじゃないですかー」
「美鈴…っもうここで言わなくてもいいでしょ、余計ややこしくなる」
一年は出てと他の二年生が促す。
紗英が話し出した。
「延長練習の時に相馬くんが言ったの、それは事実、美鈴も本堂くんも聞いてる、でもね、それだけ相馬くんは愛菜を見てるのよ、秋枝はいつから相馬くんの事が好きか知らないけど、相馬くんは愛菜しか見えてないの」
「え?秋枝って相馬くんの事が好きだったの?」
凛華は尋ねた。
「わ、私はそんなこと言ってないわよ」
「わかるの、相馬くんに優しくされるとね、キュンてなるの、本人に自覚がないからまたみんな好きになるのよねー」
「だから違うって」
「昨日ゴム引きで相馬くんが秋枝の後ろに立ったときの秋枝の顔を見たもん、真っ赤になって恥ずかしそうに……あ、これは好きになったんだなぁって思ったよ」
「愛菜と付き合ってるのを知ってるのに…そんな……」
「好きの気持ちを諦めるのも諦めないのもどっちも悪くないんだよ、秋枝」
「凛華……」
「私はもう諦めた(笑)」
「紗英……私、新人戦の時に先生も気付いてなかった事に相馬くんが誉めてくれたのが凄く嬉しかったの、好きとかは本当に自覚してなくて紗英に言われるまでわからなかったかも……」
純情すぎませんか?うちの部長は、と紗英が言ってみんなが笑った。