才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
確かに、愛菜にきつく言ってしまったかもと秋枝は認めた。
普通に相馬くんをほったらかして旅行に行ってたのが真面目な私には理解できなかったと反省した。
凛華が言った。
「実は愛菜と連絡がとれていないの、相馬くんも同じく」
「えー」
「待つしかないよね?」
みんなで頷いた。
「一年が待ってるよ、行こう」
「はーい」
二年生は部室を出て弓道場に向かった。
部活が終わったのは17時、今日は終業式で午後からの部活だったのでこの時間だ。
凛華は理久斗と愛菜の家に一緒に行く約束をした。
「全く、本堂くんも愛菜も心配させるんだから!」
「本当だよな、もう、僕、振られるのかな」
理久斗は凄く弱気になっている。
部活中も一年生の指導だけしていて射たなかった。
愛菜の家に到着した。
「でかっ!」
凛華は広い敷地に大きな家に驚いていた。
「この辺りって高級住宅地じゃない?」
「そうなんだよ、僕も最初はびっくりした」
インターフォンを押して見ると「はい」と返事があった。
「愛菜の声じゃなかったけど」
理久斗が名乗った。
エプロンを付けた人が玄関から出てきた。
「あの、愛菜は」
凛華が尋ねると「今日の夜に戻られると連絡を受けてちょっとお掃除にきたんです」
「時間はわからないですよね?」
「ちょっとそこまでは、すみません」
「あの、愛菜は家族といるんでしょうか?」
理久斗が尋ねる。
「はい」と返事が返ってきた。
「わかりました、ありがとうございました」
理久斗と凛華は頭を下げて家から離れた。