才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
「で?」
「え?」
焼けた肉をお皿に置いてくれる。
「え、じゃなくて、愛菜は何で病院にいたの?」
「えーと、お父さんがぎっくり腰でひどくて救急車で運ばれて、ヘルニアとかの検査をして……って言ってました」
「そう、よかった、愛菜に何かあったんじゃなくて、相馬くんと話してたら突然帰るといって、それから着信拒否になってて心配だったのよ、相馬くん、すごく心配してるから連絡しておくね」
凛華は理久斗にLINEを送った。
「着拒なんて、先輩達はケンカでもしたんすか?」
「あんたにはモテる男を彼氏に持つ気持ちはわかんないでしょ?」
「そんなの当然じゃないすか、俺男だし、理久斗先輩は本当に優しい男だからモテるのはしょうがないですよ、でも一途なんす、愛菜先輩にはそれがわからないんですかね?」
「みんなにも優しいじゃん」
「冷たい男がいいですか?そんな性格変わる方が怖くないすか?」
「……そうね……」
響のLINEの音が何回も鳴る。
「すみません、切っときます」
「別にいいよ、ちょっと化粧室に行ってくる」
「はい、適当に頼んでいいすか?」
凛華は頷いて一度席を立った。
「凛華じゃん」
凛華は声をかけられたが無視してリップを塗ってトイレから出た。
会いたくない子に会っちゃったな、さっさと食べて帰ろう。
席に戻ると本堂くんはスマホを見ていた。
LINEの画面が少し見えてハートがたくさんのスタンプが見えた。
凛華が椅子に座るとスマホをポケットに入れた。