才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
「うまく言えないですけど、凛華先輩も凄く頑張ってるので俺が甘やかせたいす、年下ですけど、そう思ってます」
「……何も私の事知らない癖に、生意気!」
「それは先輩が壁を作ってるからじゃないですか、ぶっ壊していいなら俺、先輩を笑わせるんで……本気で笑うとこみたいんで……それじゃあ、明日、おやすみなさい」
本堂くんはそう言うと帰っていった。
「……だから…生意気なんだって……何よ私だって普通に笑うし……」
本堂くんが歩いて帰っている後ろ姿を一度見て、凛華は家に入った。
次の日凛華は愛菜の家を再び訪ねた。
愛菜の部屋に通された。
「凛華が初めて……部屋にきた友達は」
「そうなの?相馬くんは?」
「部屋はないよ」
シンプルな部屋だなと思った。
「何でさ、相馬くんに連絡しなかったの?私にもだけどさ、昨日本堂くんに聞かなかったら私も怒ってるよ?」
「ごめん…あの、本堂くんにどこまで聞いてる?」
「病院で会ったくらいよ、お父さんが運ばれてって」
「私……みんなにお土産渡して秋枝に言われたじゃない?」
「気にしなくていいでしょ」
「う…ん、だけど、小、中学生の時も同じ事があったなぁって思い出して……」
「しょっちゅう海外に行ってたの?」
「海外も、日本全国も、あんまり学校に行ってなかったのね」
「頭いいのに……」
「勉強はしたよ、親の仕事がちょっと移動が多くて、帰れるときに学校行ってたっていう感じなんだよ」