才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
「お兄ちゃんて基本よく寝るんだよね」
由依ちゃんにほっぺたをつままれている。
「私、さっき部活から帰ってきて、今から友達の所に遊びに行くのって事で後はよろしくお願いします」
お母さんは夜勤で今日は帰りません、ゆっくりしていってね、7時までには帰ってくるからと言い残して出ていってしまった。
時刻は5時になろうとしていた。
スースーと寝息が聞こえる。
由依ちゃんがつまんでも起きないって凄いな。
愛菜は鞄を置いてマフラーと手袋を外した。
ベッドに座って理久斗の顔を覗く。
「りっくん……」
愛菜も指でほっぺたをツンツンとしてみた。
反応がない。
かわいいからずっと見ていたいけど、ちゃんと話をしなくちゃいけない……
「りっくん、起きて、いつまで寝るのかな?」
冷たかったらごめんね。
愛菜は手のひら全体で理久斗のほっぺたを包んだ。
冷たいのか顔をしかめる。
「りっくん、ただいま、りっくん」
愛菜のポケットに入れていたスマホからLINEの音がすると理久斗はいきなり起き上がった。
「きゃっ」
勢いよく起きたのでほっぺたに当てていた手は外れ愛菜はベッドから滑り落ちた。
「え?」
理久斗は愛菜の背中が見えるとベッドから飛び降りた。
「ごめん!ごめんね、愛菜」
理久斗はそっと抱き締めた。
「びっくりしたぁ」
愛菜が顔をあげるとキョトンとしている理久斗がいた。
「……あれ?」