才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
愛菜は一歩足を進めた。
「まずはごめんなさい……」
「ん、もう…いいから来て」
りっくん、怒ってる?
「あの……」
止まっていると腕を引っ張られてりっくんの中に包まれた。
あぁ、やっぱりりっくんにぎゅーっとされると安心する。
「愛菜……愛菜…」
りっくん泣いてる?
愛菜は頭を少し起こした。
「見るなよ」
愛菜は頭を下げられてしまった。
「僕……愛菜の気にさわる事言った?気を付けるから……正直に言って欲しい…っ黙って帰られると……つらい」
「りっくんだって私に言ってよ」
「僕?」
「新人戦の日、私が集中力がなかったんでしょ?何で言ってくれなかったの?」
「あれは……結果的には愛菜は悪くなかったから、ただ集中力欠けてるなって…僕は愛菜をいつも見てるからわかる事だから僕しか気付かない……」
「私が何のために弓道やってるかりっくんは知ってるでしょ?」
「うん、集中力をつけたいから」
「じゃあ言ってよ、それか、誰にも言わないで欲しかった、紗英から聞いて複雑だったのに、秋枝を誉めてすごく嫌だったの」
「ごめん」
「りっくんばっかりに謝らせたい訳じゃないの、りっくんがモテるから私が勝手にヤキモチ妬いたの」
「モテないよ、僕」
「りっくんが優しくするから紗英も美鈴も秋枝もりっくんを好きになる」
「そんな…でも教えてって言われたら嫌とは言えない……」