才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
「初めての俺の彼女……ありがとうな」
「何よ、そういうテクニックだけ磨いてもだめなんだからね!」
類の脇腹をつまんだ。
「痛て~、凛華はやっぱそうでないとな(笑)でも今はマジでそう思ってるよ、元気でな」
あっかんべーと舌を出して振り向いてから類に手を振った。
クスクスと類はゲームをしながら笑っていた。
俺の元カノ、やっぱ可愛いじゃん……
くやしい!……
一瞬でも抱き締められた時に嬉しいと思ってしまった自分が……
凛華は部屋のベッドに制服のままダイブした。
相変わらずイケメンだったし、ううん、もう顔では選ばないと決めたのに……
凛華は中学三年の時に類とつきあい始めた。
頭のいい凛華と違って類はそこまでではなく、家が中華料理店を経営していたため店の手伝いも忙しく勉強する時間はなかった。
進路を決めるときに県内で唯一料理科のある高校を選んだのだ。
家からは遠くて一人暮らしをすることになった。
引っ越しの手伝いに行った時に類とは結ばれたが、お互い部活に学校に忙しくなり、夏休みの部活休みの日に家を訪ねると、類は上半身裸でドアを開けた。
玄関には女性の靴、奥からは誰~と聞き覚えのある声がした。
中学の同級生だった。
凛華はその場から走って逃げた。
その日の夜、同級生からLINEがきて、別れてなかったんだねと…私、類の事が好きだから、もうこの間から寝てるし…
凛華は類のLINEに別れると入れた。
類からはわかったのひとことだった。