才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
よいしょと腕を引っ張ってりっくんを起こす。
座っているりっくんは頭を下げて黙ってしまった。
「りっくんこそ私にはかっこつけなくてよくない?話して…」
「僕のお小遣いじゃ、クリスマスプレゼントを買うお金もなくて、どうしようと思ってたんだ……」
「なしにしようって言ったじゃない、さっきの費用を半分にすればいいのに、あっ、会計」
愛菜は鞄から財布をだした。
いいよと止められた。
「今日のお金は2日分の食費だから」
「2日分?」
「由依が今日から全国大会へ行ってて、親もついていったから僕は一人なんだよ、それで、食費をくれてケーキも作ったらって言われてるからお金はいいんだけど……その……愛菜の誕生日にさ文化祭準備で何もお祝いできなかったから、作ってみようって思って……」
「え!これ手作り?りっくんの?」
「うん、うまくできなくてついたくさん作っちゃってどれをあげるか選ぼうと並べてたんだ」
アクセサリーって安くて可愛いのもあるのに作るってりっくんらしいんだなぁ……
こんなに作ったらそこそこのアクセサリー買えるんじゃ?……
ふふっ、りっくんてば……
愛菜はりっくんに抱きついた。
「ありがとう、りっくんの気持ちがとっても嬉しいよ」
「僕…やっぱりどこか抜けてるな、愛菜が着替えるのわかってたのにさ」
「そういうりっくんが私は楽しくて好きよ」
「ほんと?」
「うん、優しくてリードしてくれるりっくんもちょっと天然なりっくんも可愛い」
180センチの男に可愛いって言うのもなーと考えていたが早くケーキを作ろうと理久斗も着替えてキッチンに降りていった