才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
慣れてる?
それは元カノさんがわがままだったからだよね…
「じゃあ、私わがまま言うのやめようかな」
「大丈夫だよ、そんなの由依のわがままに比べたら愛菜のわがままなんて可愛いって思うよ」
え?由依ちゃん?
「ごめん、りっくん、元カノさんかと勝手に勘違いした」
「あー、咲優はわがままというか寂しがり屋だな」
「寂しがり屋?」
「片親になって母親が夜勤の仕事を増やしたから、夜に出かけるようになって、それで素行も悪くなっていって……愛菜は親がいなくても遊びに行ったりしないだろ?」
「うん」
「だから親にも愛菜は信用されてんだな、きっと……」
「私の場合はこれからの事があるから……大人しくしていないとSNSとかで…ね」
「そうだな、このアナウンサーの人も愛菜の事を知ってたもんな、ゴルフ界隈ではもっと愛菜の事を知ってる人がいるかもな、だから愛菜はSNSとかやってないんだな」
「うん、プロになったらって決めてるの」
そっかとりっくんは優しく言って肩をポンポンとしてくれた。
「りっくんもわがまま言っていいからね(笑)私だけってやっぱり悪いし……ねっ」
「ありがとう……じゃあ…」
りっくんの右手が愛菜の頬に触れて親指で頬骨をコスコスとなぞる。
理久斗の好きな愛菜の頬だ。
「あっ……」
触られるとキスの予感がして恥ずかしくなった。
「まだ慣れない?(笑)」
コクリと頷く。