才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
理久斗はスマホを見た。
「愛菜、何時のバスで帰る?送るよ」
バスの最終は10時半だけど優しいりっくんはきっと家まで送ってくれそうだから帰りの時間も見なくちゃいけない……
それを考えるとあと一時間くらいしか一緒に居れないのか……
愛菜はバスの時間を調べていた。
「…りっくん」
「何?」
「明日予定あるの?」
「明日は部活がないから愛菜が予定がなければデートしようと思ってたけど……ゴルフ練習入りそう?」
「私の親って急に動くからね、ごめんね、読めないよね」
「まあ、合わせれる方が合わせたらいいって僕は思うから予定入るなら言ってくれて全然いいよ」
「りっくんは本当に優しいね」
「それしか取り柄がないからね、愛菜がもっとグイグイ引っ張って欲しいなら頑張るよ」
愛菜は首を横に振った。
「優しい人がいい、これから上手く感情のコントロールが出来なくなる事がきっとたくさんある、そういう時に優しくされたい」
「わかった」
理久斗は部屋からコートを取ってきておくと一度自分の部屋にあがった。
そうだ!愛菜のアクセサリーを入れる袋を用意してたんだった。
理久斗は引き出しから100均で購入した袋を取り出した。
いつか…こんな袋じゃなく箱に入れるくらいのアクセサリーを渡せたらな……
階段を急いで上ってくる足音が理久斗の耳に入る。
コンコンとノックの音がして返事をする間もなくドアが開いた。