才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
下に降りようとりっくんに言われてダイニングの椅子に座った。
りっくんはお湯を沸かして温かいココアをいれてくれて、ケーキも冷蔵庫から出してくれた。
さっきも食べてお腹もまだ減ってはないけど愛菜は口に運ぶ。
「愛菜」
「ん?」
「10時までもう一度よく考えて」
「…はい、りっくん、怒ってる?」
「怒ってないよ」
そういうと理久斗は部屋へ上がっていった。
愛菜が泊まる?
そんなの僕は我慢できるのか?
えーっとお客用の布団てあったっけ……
でもずっと使ってないからな、僕が下のソファで寝るとして、あっ、風呂も洗わないと、まあ、それは泊まるって決まってからでもいいか……
あと何か用意するもの……
理久斗は鍵付きの引き出しを開けた。
四角い箱からミシン目をビリビリと破り引き出しを閉める。
鍵はかけなかった。
キスだけで真っ赤になる愛菜には無理はさせられない、焦らないと自分に言い聞かせる。
愛菜と付き合っている事が徐々にみんなに知られていく中、友達からは羨ましがられたし、質問もされたけどうまくかわしてきた。
まだシテないとも言えず、別に僕らがどう付き合おうと友達には関係はないけど、付き合って半年がこようとしているのに純情な愛菜が可愛いから我慢は出来た。
「まぁ、泊まるとしても普通に楽しむか、よし!」
理久斗は下に降りていった。