才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ

「嬉しい、嬉しいけど……一緒に作りたかった、愛菜が来るまで長いよ、待つ時間…」


「あー、ごめん思ってたより時間がかかっちゃって……」



「無理しなくても料理なら僕がするよ」



「無理じゃないもん!私がりっくんに何かしたかったんだもん!いつも私ばっかり優しくしてもらって、だから私がりっくんの為に何か……ぶっ…」



愛菜の目の前が真っ暗になった。



理久斗は愛菜をきつく抱き締めていた。



「ごめん…」



愛菜は理久斗を手で押した。



「りっくんは何も謝ることなんてないよ、私がしたことなんだから、りっくんの事を考えて作ったお弁当を食べて欲しいな」



「わかった」



愛菜は2つのお弁当を開けた。



「お、おぉー」



りっくんの驚く声が聞こえた。



私だってね、一人で揚げ物はまだ無理って自覚はしてるのと愛菜が言った。



だから冷凍食品を使いましたと話してくれた。



「野菜を入れるのが難しかった、ブロッコリーとプチトマトを入れたけど、毎日ってなったら何いれるの?りっくんなら」



「そうだなぁ、葉ものをナムルとかにしたり、夕食の残りの煮物を入れたりかな?」



愛菜はなるほどと真剣に聞いていた。



「それより、おにぎり可愛いじゃん」



「これね、昔お母さんが入れてくれていたの」



うさぎとくまのおにぎりが入っていた。



型があってね、それにご飯入れて……と説明してくれた。



少し卵焼きが焦げちゃった。と可愛く笑う。

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