才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
「ご馳走さま、美味しかったよ」
りっくんは優しい…
卵焼きちょっと甘すぎたのに、私も食べてみて気づいたし、だからちょっと焦げたんだな。
食べ終えるとりっくんはお弁当箱を洗ってくれた。
今度は僕が作るよ、交代にしようとお揃いのお弁当箱はりっくんのダイニングの引き出しにしまわれた。
「さて…ゆっくりしようか」
りっくんとソファに座ってテレビを見た。
膝枕してよと言われてりっくんは甘えてくる。
りっくんは姿勢を変えて愛菜の方を向き、ぎゅっと愛菜のウエストを抱き締めた。
「愛菜」
「ん?」
「こうやってるだけで幸せだから…無理にはしない、愛菜がそういう気持ちになるまで一年でも二年でも待つから……」
「ありがとう、私もごめんね、恥ずかしさが半端なくてね、頭がのぼせるっていうか……すぐ赤くなって自分でも嫌なんだけど」
「うん……わかった、嫌われたかと思った、今流行りの蛙化現象とか思われたらどうしようって不安だったんだ……」
「あー、最近よく聞くね、でもそれならキスも嫌だと思うよ、私、りっくんのキスは好き、恥ずかしいけどね」
理久斗は片手を伸ばして手を愛菜の頬に持っていった。
よかったと小さな声が聞こえた。
いつものようにスリスリと撫でられるとゆっくり手が下がっていった。
愛菜の胸も通りすぎて力が抜けている。
寝た?
りっくんの顔を見ると軽い寝息が聞こえてきた。
安心したのかな?
愛菜は側に置いてあったリモコンの音量も少し下げて、スマホを見ていた。