才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
タクシーが来ると2人で乗り込み救急病院へ行き先を告げた。
「理久斗……」
咲優は僕にもたれて腕をずっと回している。
愛菜、ごめんと思いながら咲優の頭を引き寄せた。
病院に着くと部屋を教えてくれて病室に入ると職場の人がついててくれて事情を聞いた。
介護施設の患者さんが暴れて押さえに入ったが突き飛ばされて頭を打ったらしい。
僕達が来ると施設に戻っていった。
病室の椅子に僕達は座って咲優のお母さんが目を覚ますのを待った。
次の日の朝、愛菜には理久斗から部活を休むとLINEが入っていた。
どうしたんだろう……
風邪ひいた?
午前の部活中、休憩時間に愛菜は本堂くんを捕まえた。
「部活を休んだ理由知ってる?」
「えっと部活のLINEには家の事情って書いてましたけど…愛菜先輩の方が知ってるんじゃないすか?」
「知らないから聞いてるの」
「昨日ケンカでもしました?」
「してないよ…ありがとう」
愛菜は本堂から離れて行った。
部活が昼に終わると凛華が一緒に帰ろうと言ってきた。
本堂くんには愛菜と帰るからとLINEを入れた。
「どうしよう…りっくんの家に行ってみた方がいいのかな?」
「うーん、愛菜から連絡はしたの?」
「したけど既読にならないの」