才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
愛菜は学校の門を出ると電話をしてみた。
「……繋がらない」
心配なら行ってみようよと凛華に言われて2人で理久斗の家に向かった。
「出ないね、いないのかな?」
愛菜はインターフォンを押してみたが反応はなかった。
「相馬くんの事だからきっと連絡くれるよ」
「うん…」
愛菜と凛華は来た道を戻ろうと玄関前から出ようとした。
「ちょっと、愛菜」
凛華に声をかけられて顔をあげると正面からりっくんと咲優さんが歩いてくる。
咲優さんは理久斗の腕にしがみついていた。
理久斗はポケットから鍵を出して咲優さんに何か話している……
車庫にいた凛華に気づく。
「坂下さん?」
「どういう事?」
「どういうって……愛菜!」
愛菜は理久斗の家の駐車場に停めてある車に隠れていたのだ。
隠れていたつもりがカバンが見えていた。
普通に凛華だけ来ることはないから当然愛菜も一緒にいることはすぐわかるがつい隠れてしまったのだ。
「ごめん、ごめんなさい」
咲優さんがかぼそい声で謝ってきた。
ちょっと待ってと理久斗は家の鍵を開けて咲優を中に入れた。
「二階に行ってろよ、咲優」
コクコクと頷いて玄関を入ると理久斗は玄関を閉めた。
え?咲優さんを部屋に入れるの?何故?
咲優さんに謝られるってりっくんと何かしたの?
「愛菜…」