才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
すぐほっぺたが赤くなるんだねとまた手の甲で触られた。
「どう?呼び捨てが嫌なら愛菜ちゃんにするけど」
「だ、大丈夫……男子に名前で呼ばれた事がないから恥ずかしかっただけ、慣れます、はい」
「僕も名前で呼んで欲しいかな」
「理久斗くん?」
「呼び捨ては?」
「ちょっとまだ無理かも……理久斗くんでいい?」
「ん、わかった(笑)」
「あの、あのね……私これから理久斗くんと付き合うことが恋愛に関しては全部初めてのことだから……その……よろしくお願いします、です」
「じゃあ……」と言うと軽くハグをしてくれた。
「初めてのハグはどうですか?(笑)」
背が高い理久斗くんは手ももちろん長い、すっぽり私を包んでくれた。
「ふふっ、こんなに男の人と近いの初めてで、恥ずかしいです」
「嫌じゃない?、大丈夫?僕、汗かいてるから」
「うん、大丈夫」
理久斗くんからは爽やかな石鹸の香りがした。
部活終わりにちゃんと身体を拭いてるのがわかった。
理久斗くんの右手は私の頭を軽くポンポンとしてくれた。
「恥ずかしいよ~」
「愛菜は可愛いなぁ」
「何でそんなに言葉に出来るの?」
「んー、愛菜は凄く美人でさ、僕も一目惚れするほど凛としてて……でも悪くいえば冷たそうで、近寄りがたかった……出会った頃はそう思ってた」
愛菜は顔をあげて理久斗を見る。