才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ

「私、本当に冷たいかもだよ?理久斗くんのイメージ通りかも……実際に言われた事がある」


「入部したばかりの春にさ、先輩達が一年生と食事会って焼き肉に行った時かな、愛菜の印象が変わったのは」


確かに先輩達とそういう会はあったけど……

んー、と愛菜は首を傾げる。


「実は友達とか先輩とかと遊びに行ったのがあの日が初めてだったの」


「そうなんだ、意外だね」

「うん、家族の都合で遊びに行かせてもらえなくて、あの日が楽しかったのは憶えてる」


「テーブルは男女別だったけど、隣のテーブルだったんだ、愛菜の食べてる所が正面で見えたんだよね」

「え、恥ずかしい……知らなかった」


「だろうね、僕は気になってたからチラチラ見てて、その時の愛菜が凄く表情豊かでさ、こんな可愛い笑い方をするんだと思ってその日から僕は愛菜の事が好き」


「っ、やっぱり恥ずかしい……」

愛菜が下を向くとすぐにまた頭をなでてくれる。


「恥ずかしがりやの愛菜はさ、僕とつきあっていく事は隠したい?ちなみに先に言うと僕は堂々と付き合いたい、愛菜と釣り合わないと陰で言われても……」


「……どうすればいいのか正解がわからない」


「愛菜、恋愛は勉強じゃないんだからそんなに深く考えなくてもいいよ、正直に言って、愛菜のいい方にするから」


愛菜は考え始めた。



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