才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
新たなライバル
門まで一緒に帰ろうとりっくんからLINEが入ってきた。
誰が迎えにくるんだろう、きっとお兄ちゃんだよね、はーいと返事を返した。
部室を出たとこで待っていてくれたりっくんはスマホを見ていた。
「お待たせ」
「うん、行こうか」
「久しぶりに手を繋いでいいですか?」
「あ、うん」
いつも指先だけ絡めるのだ。
「ふふっ、冷たいね」
「うん、でも嬉しいよ、響がさ、俺のおかげなんだから今度奢ってくださいねって言ってた」
「そうね、確かに(笑)帰ってきたらゆっくり話すね、ひと言じゃ言えないかも」
「待つかー」
「うん、待ってて、頑張ってくるから」
門についてしまった。
「愛菜」
声のした方を向くと1人の男性が立っていた。
「光流(みつる)くん?」
「大人っぽくなったな」
「誰?」
理久斗が愛菜に聞いた。
「えっと中澤光流(なかざわみつる)くん、同じジュニアで活躍していた人だよ、東北の高校にゴルフ推薦で通ってるの、年は私より1つ下」
年下なのに愛菜を呼び捨て?
「帰ろうか、俺が迎えに来た」
「えー、車じゃないの?」
「タクシーは呼んでもいいとは言われてる」
1万円札をヒラヒラさせた。
「どうする?」
「愛菜、車じゃないならバス停まで送るけど?」
「そうしようかな…じゃあ帰ろうりっくん」