才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
玄関を開けると半袖の春用ニットにロングスカート、カーディガンを肩にはおっていた。
「来ちゃった(笑)」
来ちゃったって、可愛いんだけど……
愛菜はリビングに通された。
ソファには理久斗のTシャツとパンツが置かれていた。
「あっ、シャワーする所で…」
「うん、待ってるからどうぞ」
「ごめん、すぐすむから」
理久斗は急いでシャワーを浴びに行った。
シャワーから出て二階にあがるりっくんの足音がきこえた。
「ごめん、LINEくれてたの気づいてなかった」
「うん、玄関でびっくりしてたからそうなのかなって思った(笑)」
ふぅとタオルで髪の毛を拭きながら愛菜の隣に座る。
「ごめん、早すぎたね」
「いや、帰ってたからいいよ、まだだったら逆に愛菜を待たすことになってたからな」
会場からはバスの乗り換えがあるためどうしても車で帰る人より遅くなる。
会場からは僕が一番遠いし。
「りっくん、今日は調子良かったね、K高に勝つなんて…先生も凄く喜んでいたし」
「まあな、叶多もさすがだった、個人優勝はできなかったけど」
「それでも二位は凄いよ」
「県大会も頑張らないとな、推薦欲しいし」
「推薦狙ってるの?」
「まあ……E大学は弓道も強いんだよ」
「国立で強いからりっくんはE大学に行きたいのね」
「うん」