才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
「19時に出たら間に合うかな?」
理久斗はスマホを見ると、先生からの焼き肉の時間と場所が弓道部のLINEに送られてきたのだ。
愛菜もスマホをだして確認した。
「歩いて行く?」
「バスなら2駅だからどっちでもいいよ」
「じゃあ、手を繋いで歩いて行こ!」
愛菜が手を握ってきたけど握り返せなかった。
「愛菜、お母さんは今日の打ち上げはすんなり許してくれたのか?」
愛菜の方は見れず下を向いたまま質問した。
「うん、大丈夫だった、先生が言い出したしね(笑)だから凛華と行くってすぐに出てきたの……ダメだった?」
「いや、嬉しいけど……愛菜が来るとは思ってなかったから」
「私だってりっくんとゆっくり過ごしたいと思ってるよ、りっくんは……っ私の事…冷めてきた?……ぐすっ」
鼻水をすする音がしたから理久斗は顔をあげた。
愛菜が……泣いてる……
「冷めてないよ」
愛菜の頭を引き寄せた。
「ご、ごめんね…いつも…は、恥ずかしくて真っ赤になって見られたくなくて顔をそむけたり…して…でも…りっくんがさっき見てくれなかったり、手を握ってもらえないと…私が恥ずかしくて顔をそむけるのも同じだよね、りっくんは嫌だったよね」
僕の腕の中で話す。