才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
「なんでって……今日は響が愛菜の家を見たいって趣旨だったから」
「そうだけど、本当にそれだけならりっくんは呼ばないでしょ、ちょっとグループデートみたいに楽しもうと思ってたのに」
「楽しかったよ、4人でご飯食べて、話して」
「せっかくお母さんがいないのに……」
「お母さんがいる、いないは関係ないよ、いたら挨拶をするだけだし、お母さんがいないのを狙って来ようとはそもそも思ってないからさ」
だから…と響から渡されたゴムをポケットから取り出した。
「だから準備もしてなかった…僕は別に体目的じゃないからね」
「りっくん…」
「正直、付き合い始めは準備してたけど、色々すれ違って、でもやっぱり愛菜が好きだし、大切なんだと気づいてからは持っていない……それなら去年、愛菜が一人の時にこの家に通ってるよ」
「ごめんなさい…」
「だからー、謝らなくていいって、愛菜がそう思ってくれたことは嬉しい、別に僕が冷めてるのも違うよ、先は長いんだから焦らなくてもいいってこと、僕は愛菜の事が一番好きだよ」
「りっくん、りっくん」
愛菜は理久斗に抱きついた。
「泣くなよ…」
「不安だったの」
「うん、わかった」