才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ

どうやら昨日の夜のスポーツニュースを見て朝の新幹線に乗ってきたらしい。


「何でこんな後ろにいるのさ」



「愛菜には内緒で来たんだ、集中力切らすと悪いから……」



「アホか、彼氏がそんな気の弱いこと言うなよな」




「プレーする側はどう思うんだ?」



「俺は愛菜が応援に来てくれたら嬉しいけどな(笑)」




「いや、愛菜を例にだすなよ、きっと行かないし」




「夢くらい見させろよ」




「夢でも嫌だよ」




チェッと舌打ちが聞こえた。




何故か中澤くんは僕の隣を歩く。



「僕、初めて見に来たんだよ…こんなに凄いとは思わなかった」



「……そんで、ビビったと……」




「うん、まあ簡単にいうとそうなのかな、愛菜のやってることは凄いなって、僕は何も出来ない……」




「……そんなことないと思うよ、正直俺は愛菜が東北の高校に行かなかったとか聞いた時にゴルフを辞めたと思ってた、でも合宿を一緒にして愛菜が変わったと感じたんだ、それは多分相馬さんのおかげかなって思って東北に帰ったよ、相馬さんがそんなに弱気なら俺は愛菜を諦めないよ」




「それはちょっと諦めてもらって(笑)」




えーっと言いながら小走りで前の集団に追い付いて行き、あっという間に見えなくなった。


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