才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ

僕は小学生の時に弓道を始めて、週1回の日曜日の朝に親に連れて行ってもらい練習をしていた。

A学園は弓道の強い高校で、家からも徒歩で通えるし、中学に入った時から咲優にも話していたのに、勉強を頑張らなかった咲優はA学園とは程遠い偏差値の低い高校に入学していた。

咲優の高校が中学生の受験日で在校生は休みだった日、学校から早く帰った僕は咲優に連絡をするが返事はない、寝てるんだろうなと咲優の家に向かって行く。


平屋が五件並ぶ道に入ると一番奥の咲優ん家の玄関から大学生風の男が出てきた。

僕の横を通り過ぎて歩いて帰っていく。

やっぱり浮気?と足を止めていたら、さっき咲優に送ったLINEの返事が返ってきた。

バイトの時間までなら会えるよと……咲優の家まであと少しの直進距離だったのに、やっぱりごめんと断りのLINEを入れてUターンをして自分の家に帰った。

それからはいつ別れようか、どう切り出そうかを考えるようになっていた。


普通にLINEはくるし、合格祝いも渡したいと言われて、とりあえず外で会ったが食事を奢ってくれて、ハンカチをプレゼントしてくれた。


「ありがとう」とお礼を言って春休みに突入した。


別れるか……

悩みながらも咲優に呼び出されて家に行く僕はただ欲の為だけに……

咲優を抱く度に……迷った。


このままでいいのか?
はっきり聞くべきか、咲優は上手くごまかすんじゃないのかな……


だって抱く度に好きとは言ってくれる。


僕は咲優にとって都合のいい彼氏かも知れないけど、僕もまた咲優を都合のいい女にしている……

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