才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
大家くんが私の所に来ているということは今は男子はうちの学校が打っている訳で……
理久斗くんも準備をしていた。
綺麗な姿勢で構えて、音を響かせながら最後に的に当たる瞬間にいい音が響く。
「いい響きだ、理久斗は何で部長じゃないのかな?」
「それは…ちょっと男子の方はわからないですね」
「上手いのにな、フォームも変わらず綺麗だし、コミュ力もあるだろ?」
「さぁ、私はあんまり知らないので……」
本当は知ってる。
内部事情なんて言えないよ、理久斗くんが成績が悪いから補習になった時に部活にでれないかもだなんて……
「まあ、そうだな、理久斗は優しすぎる、きっと怒れないだろう」
愛菜は大家の方を向いた。
「……怒ることなんてあるんですか?」
大家くんは不思議そうな顔をした。
「あるだろう、矢取りも遅いとダメだし、みんなする事がバラバラでもダメだし、サボってる奴らとか不真面目な奴?」
「あっ、人数が多いから大変ですよね」
「まあ、先輩から受け継いできたものがあるから…」
そうなのか、大変だな。
「部長〜」
K高の1年生が呼びに来た。
「あっ、じゃあ……」と言うと大家くんは戻っていった。
愛菜は頭をぺこりと下げた。
何で来たんだろう……
愛菜は不思議に思ったがちょうど理久斗くんの射る番だったので姿を見ていた。