才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
愛菜は民宿の外に出ると理久斗くんが待っていた。
「出れた?(笑)」
「うん」
防波堤にもたれて海を眺める。
「いい風だね」
「うん」
「K高の大家……愛菜に話しかけてたよね」
「何故か来てね、アドバイスくれたよ、わかってるんだけど、出来ないから親指擦れちゃうんだけどね」
「愛菜は賢いからな(笑)頭では理解出来てるんだよな」
「うん、身体がね、いうことを効かないのよね」
はぁ……理久斗くんはため息をついていた。
「どうしたの?バテた?」
「いや……絶対叶多、あっ大家の事ね」
うんと私は頷いた。
「愛菜の事が気に入ったんだよ」
愛菜の目はぱちくりと大きくなった。
「そんな、怪我してたからでしょ、今日会ったばっかりだし」
「愛菜は美人だから一目惚れされるんだよ、だって僕がそうだったし」
「でも……そんな感じには見えなかったよ」
「他の高校の子にあんなガツガツ初日から話かけれないよ、普通は」
まあ……
「それはそうね」
「叶多は積極的だからさ、気をつけてね」
「うん、わかった、でも何を気をつけるのかわかんないけど……(笑)」
明日が怖いと理久斗くんは言ってた。
そんなに心配なんだ。
理久斗くんは……
わかる?叶多にヤキモチ妬いてるんだよ?と海の方を向いて言われた。