才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
ライバル
「ヤキモチ?付き合ってるのに?」
付き合ってるからこそだよと笑顔で言った。
「僕ってそんなに怒らない性格だけど、流石に彼女にはヤキモチくらいは妬くよ(笑)」
少し笑顔もぎこちない。
「私はどうすれば理久斗くんに心配かけない?その……付き合ったことないって言ったでしょ?わからないから教えて欲しい」
愛菜は僕のTシャツの裾を軽くつまんだ。
愛菜の顔を見ると上目遣いにじっと見られた。
うっ……可愛い……キスしたい……
僕が不安なように、愛菜も付き合い方に不安なんだな。
軽く頭を振って邪念を消した。
そうだ明日練習終わりに合同でBBQがあるんだった。
その時に叶多が愛菜にグイグイ攻めるかもしれない。
「なぁ、愛菜、叶多が来ても彼氏がいるってちゃんと断れる?」
僕は愛菜の頭を軽くぽんぽんとなでた。
「もちろん(笑)」
少し恥ずかしそうに…でも口角はあがった。
「信じるね、はい」
理久斗くんは両手を広げてきた。
「ん?」
「ハグ」
「ここで?」
愛菜はキョロキョロ民宿の方を見た。
廊下を人が歩いている。
「人がいるからやだ」
「えー」
素直に来てくれると理久斗は思っていたから思わず大きな声を出してしまって自分の口を手で塞ぐ。
「しーっだよ、理久斗くん」
「ごめん、断られると思ってなかったから」
「だって、廊下に人がいるもん」
理久斗は後ろを向いた。
「本当だ、結構いたな(笑)」