才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ

紗英はペラペラ話していく。

「向こうの部長さんも昨日愛菜に会ったばかりなのにグイグイ凄いね?イケメンだし、あっ、相馬くんも優しくてかっこいいよ、肉焼く姿もいいね(笑)」


「そんなことないよ、こういう事をするのが好きなだけだよ、ほら、みんなに肉を配ってきてよ」


「はーい」

紗英は離れて行った。


ふう、暑っ!


やっと離れてくれた。


一度顔をあげてタオルで汗を拭う。



愛菜と叶多が波打ち際を歩いているのが見えた。


叶多はやっぱり愛菜に一目惚れか……




仕方ないか、愛菜は美人だもんなー。






二人は波打ち際を歩いていた。


「指大丈夫?」

「うん、今日打てたし」


「ちょっとだけ構えてみて」


愛菜は言われるままに手を身体の前で構えた。


「肘をもう少し上に……」


肘を持ってあげてくれる。


「自分が今思っている感覚より上に」


「はい」



すぐ後ろに大家くんが立っている。


ぴったりと近くにいて話す声も耳に近い。


恥ずかしいのに……


どうしたらいいんだろ、でも恋愛的な事を言われた訳じゃないし私から言うとおかしいし……


後ろから両方の手を直される。



「あの…有難いんですが恥ずかしいのでもう……」


「あっ、ごめん……弓道の事になるとつい夢中になっちゃうところがあるんだ」


ごめんねと謝ってくれた。


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