才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
合宿最終日

朝、愛菜は目を覚ましトイレに行って廊下を歩いて外を見ると、理久斗くんが防波堤を歩いているのが見えた。

愛菜も外に出てみるとちょうど階段を降りて海に向かっている。


片手にはゴミ袋を持っていて昨日のBBQ の場所を歩いていた。


愛菜が軽く走って行くと理久斗は足音に気づいて振り返った。

「おはよう、愛菜」


いつものニコニコ笑顔の理久斗くんが挨拶をしてくれた。


「お、おはよう」


「愛菜も散歩?」


「トイレに起きて廊下を歩いてたら理久斗くんを見かけたから出てきたの、もしかしてゴミ拾い?」


「昨日片付けた時に暗かったから確認しておきたくて」


みんなまだ寝てるだろうにどうしてこの人はこんな風に動けるんだろう。


なんなら理久斗くんを見かけなかったら自分もあと一時間寝てたと思う……


ふふっ寝癖ついてて可愛い……


「理久斗くんて偉いね」


「えー、頭は偉くないよ(笑)」


「そういうことじゃなくて、周りをよく見てる」



「まあ、ただの自己満だよ、気になるから動くだけ……ほんと自己満……」



一瞬笑顔がなくなった。


思っていたよりもゴミは少なく防波堤近くの階段に二人は座った。

「夏の朝は気持ちいいね、理久斗くんはいつも早起きなの?」


「そうだな、意外と朝は強い、みんな朝が早い家なんだよ、僕が家を出るのが一番遅いくらい」


「へぇ、そうなんだ」


しばらくお互い話さなくなった。

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