才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
僕はさ……理久斗くんが話し始めた。
「意外と心が狭いのかもしれない」
「ん?どういう事?」
「やっぱり叶多に嫉妬してしまう自分がいて、平気なふりをしながら内心では叶多のやつーって感情が出てしまった」
「告白はされてないよ?」
「うん、でも、僕だって手が離せない時はある、昨日みたいに……叶多と歩いて行ってもかけつけられない、でも愛菜の事信じてるから……あー、本当に狭い、情けない、部員が愛菜と話しててもこんな気持ちにならないのに、叶多には何で焦るんだろ……」
理久斗は髪の毛をガシガシとかいた。
「私の事が気になってとは言われたけど、フォームを直してくれたから恋愛的な方なのかよくわからなかった、また大会で会おうって」
「きっとすぐに告白してもダメだと思ったんだろうな」
「そっか……」と愛菜は答えた。
理久斗くんは真っ直ぐ海を眺めていた。
愛菜は周りをキョロキョロ見渡した。
誰もいないのを確認してゆっくり理久斗くんに手を回した。
「愛菜……」
「今は誰もいないから……ハグってこれで合ってるかわかんないけど(笑)」
私……少しずつ理久斗くんに心が動いてるみたいです。
理久斗くんは私の頭に手を置いてありがとうと言ってくれた。
戻ろうかと言って私達は宿に帰った。
また後でなと手を振って各部屋へ戻った。