才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ

前に理久斗くんは彼氏いるって言える?って言ってたけど理久斗くんの名前も出すのか聞いてなかったな。


「愛菜」

理久斗くんの声がした。


「あ、理久斗くん」


「何だ叶多じゃん、部活終わりか?」



「そうだけど、三木さんの待ち合わせ相手って理久斗?」



「そうだよ」


「いつから付き合ってんの?」


「1ヶ月前」


「最近じゃん」


「それがどうした」


「お前、元カノとかとダブってないよな?」


元カノ……あっ、私は付き合うのは理久斗くんが初めてって言ったけど理久斗くんは何も言ってなかったよね、そっか大家くんは理久斗くんに彼女がいたことを知ってるんだね。



「高校入ってすぐ別れたわ、叶多には関係ないだろ、愛菜、遅くなるから行こう」



「あ、そうだね」


「じゃあな」



理久斗くんは手を繋いでくれて歩き出した。


「あ、これ、ありがとう」


ジュースを高くあげてもう一度お礼を言った。




「大家くんてここが最寄り駅って言ってた、家とか知ってる仲なの?」


「行ったことはないけど、この駅を使ってるのは知ってる」


「えと、ジュースくれた」


「……うん」



理久斗くん、機嫌が悪いのかな……



「あの、もうちょっとゆっくり歩いて」


「ごめん」


理久斗くんは手を離した。


愛菜はジュースを鞄に入れて理久斗の手を持った。



「水族館楽しもう」


「うん」


やっと笑ってくれた。


やっぱり大家くんにはライバル視してる、それはきっと私ってだけじゃなく、多分弓道の方でも……


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