才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
どうして気づいたの?
「三木さん、大丈夫?」
「え?私?」
理久斗が話しかけたのは1年生の時に一目惚れをした三木愛菜(みきあいな)さん。
咲優と別れてからちょうど1年が経っていた。
去年A学園に入学し、弓道部に入部、同じ学年で入部してきた三木さんに理久斗の目は釘付けだった。
ひと言で言うと美人!
長いサラサラの黒髪が印象的だった。
部活で自己紹介をした時に特進クラスと知った。
美人で頭も良いなんて才色兼備という言葉がぴったりだとその時に思った。
僕なんてA学園に入れたものの勉強はついていくのが精一杯だというのに…
僕達は2年生になっていた。
部員として普通に話す関係くらいにはなっていて、2年生は1年生の指導を交代でいつもしているのだが、今日は三木さんと同じ指導の時間帯だったのだ。
男子と女子で当番の順番は毎日違う。
タイミングが今日は良かったと喜んでいた矢先、その三木さんがボーッとしているような気がして僕は声をかけたのだった。
「ん?何が」と三木さんは僕の方を向いた。
「体調悪いんじゃない?顔が少し赤いよ」と言って僕の右手は三木さんの頬に当てられた。
「相馬くんの手、冷たくて気持ちいいね」
三木さんは少し赤い頬で目を細めた。
「やっぱり少し熱いよ、ちょっと待ってて」
理久斗は先輩に事情を話してきた。
「帰って休んだ方がいいよ、先輩には言ったし、先生が来たら言っておくから」
「あっ、うん、ありがとう」