才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
「……咲優ちゃんと遊ぶの楽しかったのにな」
由依は長い両足を椅子の上で組んだ。
理久斗くんも背が高いけど、由依ちゃんも背が高いな。
「ケーキをくれたって言った時に機嫌が悪かったのはそういう事だったのか、でも咲優とは高校に入ってから別れてたんだよ」
「嘘」
「本当だ」
由依ちゃんは膝を抱えて下を向いてしまった。
「ゆ、由依ちゃんは何かスポーツしてるの?」
愛菜は無言の空間が気まずくて話しかけてみた。
「愛菜さんに関係ないでしょ」
「ごめんなさい」
「由依!失礼だろ、2階にあがれよ」
由依は椅子から立って2階にあがっていった。
「はぁ、ごめん、愛菜、最近反抗期でさ、あいつバレーやってるんだけど、この間捻挫して休んでるからイライラしてるんだよ」
「バレーやってるんだね、私こそ今出来なくてイライラしてるのなら聞かない方が良かったね、ごめん、質問を間違えたね」
「愛菜は悪くないよ、謝らなくていい、あんな言い方は由依が悪い」
理久斗くんはソファに座った。
「僕の部屋でゆっくりしたいけど、愛菜が緊張するだろ」
「ん?あっ部屋?」
「うん」
「うーん、ちょっと恥ずかしいかも」
「うん、だよね(笑)」
やっぱり意識するかぁ……
部屋に行ったら僕も手を出さない自信はないしな、愛菜に嫌われたくない。