才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ

愛菜は下を向いてじっと聞いていた。


理久斗くんが頭を撫でてくれる。

「別に咲優の事が凄く好きだった訳でも嫌いになった訳でもないんだ……なんとなく付き合い始めてこういうのが付き合うって事かって、でも咲優が話してる事は僕にはわからなくて、聞くことしか出来なかった。聞きながら遊びすぎじゃね、とか心のどこかで男とも遊んでるんじゃないかなとか……僕が咲優の事を信じられなくなったんだ、まあ本当の所はわからないけどね……」



飲み物を取りに階段を降りかけて途中で兄の話を階段で座って聞いていた由依は膝を抱えて頭を下げていた。


理久斗が冷蔵庫から飲み物をコップに継ぎ、「由依」と呼んだ。


理久斗は由依が階段にいたのを気づいていた。


由依は立ち上がってダイニングに入っていく。



理久斗は由依にコップを渡した。



「ごめんな、由依の中の咲優のイメージを壊しちゃったな、でも、兄ちゃんは愛菜を好きになったんだよ、美人だろ?でも可愛いんだ(笑)」



由依は愛菜の横に座った。


「ごめんなさい……由依はお兄ちゃんと咲優ちゃんがお似合いだと思ってて……お兄ちゃんの気持ちわからなくてまだ全然子供だった、咲優ちゃん、確かに化粧したり派手になったけど高校生ってそうなのかと……本当にごめんなさい」


由依は愛菜に深々と頭を下げた。

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