才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
「どうしてそうなるの?」
「だって愛菜から好きって言われないし……あっ、でも全然今楽しいしちゃんと彼氏出来てる……よな?」
「……うん……大丈夫だよ」
愛菜は目の前に置かれたジュースをゴクンと飲んだ。
雨が止んだから帰るねと愛菜は帰っていった。
バス停まで送るって言ったんだけど大丈夫といわれた。
僕、最後に何かやらかした?
明日から文化祭準備で一緒に帰れないのに……
家に連れて来なきゃ良かったのか?
今日は咲優にも会うし、由依からも色々言われて……はぁ……疲れた一日だった。
次の日の朝、愛菜にLINEでおはようとスタンプを送るといつものように返してくれた。
昨日の帰り様子がおかしいと思ったのは気のせいかな……
放課後、愛菜は文化祭準備で部活に来れなかった。
部活の人数も半分くらいで少し早めに切り上げることにした。
キャプテン不在だったので僕が部室を閉めて鍵を返しにいくと、落し物の箱に僕とお揃いのキーホルダーを付けた鍵がいれてあった。
イルカだ。
「先生、これ……」
「落し物ならノートに書いて持って帰れよ」
「はい」
ノートには昨日の日付が書いてあった。
時間までは書いてなかったのできっと入れ違いになったんだろう。
僕はノートに記入して愛菜の教室に持っていく事にした。
愛菜の教室がある校舎にはあまり来ることがない。
LINEを入れてみたが既読がつかない。
教室に着くとそっと覗いて見た。
色々固まっていて愛菜の姿がわからなくて、坂下さんを見つけた。