才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ

女の子は凛華と同じクラスの子だ。


あっ……この前凛華が言っていた理久斗くんを好きな子ってあの子なんだ……


じゃあ……理久斗くんに告白するって事!?


遠くて何を言ってるか聞こえない……


どうしよう……



理久斗くんまさかOKしないよね……


ずっと準備で忙しかったから、昨日は本心だよね、でも優しいと告白されたらOKするのかな?


さっき部室から聞こえた会話が不安になってきた。



はっ、二股をかける人はそうなのか、もうわかんない!


愛菜の頭の中はぐちゃぐちゃに……



考えている間に女の子はいなくなってしまった。



あれ?


裏を覗くと理久斗くんがスマホを見てる。


「わっ!」



スカートにスマホを入れていた愛菜はバイブでびっくりして声を出してしまった。


「愛菜?」


慌ててスマホを切る。


「何でここに?」


理久斗くんが走ってきてくれた。


「あの、凛華が行ってきなよって言うからLINEしたの、もしかして明日の準備で弓道場かなって来たんだけど……ごめんなさい、覗くつもりはなくて」


部室の向こう側は弓道場になっている。



「うん、準備しようかなって……行く?」


愛菜は頷いて理久斗について行った。


明日の一般開放日には子供もいるかもと理久斗くんが景品を用意してくれていた。


「景品並べよっか(笑)」


「うん」


「……明日、同じ時間に当番になれなくて残念だったな」


「うん」


沈黙がしばらく続いた。



「さっきのはその……告白?」


愛菜は思い切って聞いた。


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