才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
愛菜のスマホのバイブがなった。
「あっ、今日の片付けに入るって、凛華からだ」
「うん、行っておいで、僕は先に帰るね」
「え?一緒に帰らないの?」
「僕はもうする事はないから……じゃあ宿題ね」
「宿題?」
「ハグの先に進むためには、って考えてみて」
理久斗くんは顔をあげない。
「わかったら返事頂戴、明日は弓道場にほとんどいるからさ、明日わからなかったら、明後日答えを教えるよ、じゃあ、道場閉めてくるから、バイバイ」
いつも笑顔の理久斗くんはいなかった。
後悔の顔、もしかして、告白された子がいいと思っちゃった?
愛菜は走って卓球場に戻った。
「おかえり、会えた?」
「うん……でも」
「ん?」
とりあえず今日の片付けと今日来た人が明日も回れるように、迷路を少し変える仕事をした。
「凛華、ちょっとわからない事があるの相談したい」
「ん?いいけど」
教室ではみんな次々に帰っていく。
凛華が教室に来てくれた。
私の前に座ってくれる。
「どした?」
「あのね、さっき理久斗くんを探してたら……その……理久斗くんが告白されていて……」
「あー、あの子告ったんだー、それでか」
「え?」
「ちょっと泣いてたかな」
「そこまで?」
「まあ、好きだったわけだから、泣く子は泣くよ、結構みんなに言ってたからクラスの半分くらいはあの子が相馬くんの事好きなのは知ってるよ、断ったんでしょ?」
「好きな人がいるって……でも……」
付き合ってる人がいるって言った方がよかったかなぁと言っていた事も話した。